肌のセラミドと化粧品成分のセラミド。それぞれの特性やはたらきは?

いくつかの種類があるセラミドの特性を説明する女性

セラミドは、もともと人が持っている成分で、保湿とバリア機能に大きく関わり、肌の潤いを保つために大きな役割を担っています。

しかし、加齢、外部環境や悪い生活習慣などで減少してしまいます。そんな場合は、化粧品に含まれるセラミドで補うことも必要です。

そこで今回は、肌のセラミドと化粧品成分のセラミドについてご紹介します。

肌のセラミド

セラミドは、肌のターンオーバーの過程で生成されるので、セラミドをしっかりつくり出すには、ターンオーバーを正常にすることが大切です。

年齢とともにターンオーバーが遅くなったり、睡眠不足やストレスなどでターンオーバーが乱れると、肌に必要なセラミドの量が減ってしまうので、普段から正常なターンオーバーが行われるよう規則正しい生活を心がけ、また不足する場合には、外から補うことが必要になります。

セラミドには、いくつかの種類があり、少しずつ違った特性があります。

肌にもっとも多いのは水分を保持する力が強いセラミド2です。セラミドは、加齢やよくない生活習慣で減少していくことが分かっており、セラミドが減少すると、角質層の保水機能やバリア機能が低下します。

その結果、皮膚は乾燥しやすくなって肌老化が進んだり、さまざまな皮膚のトラブルを招く原因になったりします。

化粧品成分のセラミド

化粧品成分のセラミドは、いくつかの種類があり、大きく分けると、天然セラミド、ヒト型セラミド、植物性セラミド、合成セラミドの4つがあります。

これらは、「セラミド」の名前が付いていますが、人が持っているセラミドとは性質が少し異なり、また、それぞれの性質も違ったり、化粧品成分として表示される名前も異なります。

天然セラミドは、馬などの脳や脊髄から抽出される動物由来のセラミドです。肌に浸透しやすく親和性が高いのが特徴で、高価な成分です。化粧品成分としての表示は、ビオセラミド、セレブロシド、ウマスフィンゴ脂質です。

ヒト型セラミドは、ヒトのセラミドに近い構造になるように、酵母を利用して生成されたものです。

ヒトのセラミドに近いので、保湿力に優れていることや、刺激が少ないことが特徴です。また、肌への親和性が最も高く、角質層にある細胞間脂質のラメラ構造形成にも適しています。

比較的高価な成分でエイジングケア化粧品や美容液、乳液、保湿クリームなどに配合されます。化粧品成分の表示は、セラミド1、セラミド2、セラミドNP、セラミドAPなどです。

植物性セラミドは、コメ、トウモロコシ、大豆、コンニャク、ユズなど植物由来のセラミドで、比較的安価な成分です。

化粧品成分の表示は、グルコシルセラミド、ユズ果実エキス、植物性セラミド、コメヌカスフィンゴ糖物質などです。

合成セラミドは、セラミドに類似した物質を化学的に合成したもので、安価で大量生産ができる成分ですが、天然セラミドやヒト型セラミドよりも保湿効果が劣ると言われています。

化粧品成分の表示は、セチルPGヒドロキシエチルパルミタミドなどです。

エイジングケアを意識してセラミド配合の化粧品を選ぶときは、自分自身が持つセラミドに近い効果を期待できる、天然セラミドかヒト型セラミド配合のものがおすすめです。

さらに、肌における比率の高いセラミド2、保湿力の高いセラミド1、3、6Ⅱを意識して選ぶとよいでしょう。

また、セラミドは脂質なので、水分の多い化粧水より美容液や保湿クリームに配合する方が適しています。だから、セラミド美容液やセラミドクリームで補いましょう。

まとめ

セラミド配合の化粧品にはさまざまな種類があります。

それぞれの特性やはたらきを理解し、自分に合ったものを上手に選んで、エイジングケアに役立てましょう。

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