タバコは多くの毒性のある成分が含まれているので、健康への害が多く、約10年寿命を縮めることがわかっています。
さらに、喫煙により、くすみやしわをはじめさまざまなエイジングサインが目立ってきます。このようなタバコによる肌老化は、スモーカーズフェイスとも呼ばれます。
そこで今回は、タバコが肌老化を引き起こす原因についてご紹介します。
喫煙が肌老化や皮膚疾患つながる原因は?
喫煙によって、血管の収縮や一酸化酸素の発生し、肌細胞への必要な酸素が不足してしまいます。
また、女性ホルモン分泌の低下や皮膚の温度や代謝の低下も引き起こしてしまいます。
これが、ターンオーバーの乱れなどにつながり、乾燥肌の原因となってしまいます。その結果、肌のハリやツヤ、潤い、透明感を奪ってしまいます。
タールは、喫煙で煙草の葉に含まれる有機物質が熱で分解されてできる、化学物質が結合したものですが、これが、口の中でヤニになって、歯の黄ばみや口臭の原因となり、肌のくすみや黒ずみの原因にもなります。
喫煙は、酸化作用が強く、コラーゲンの生成をサポートするビタミンCを消費してしまい、ビタミンCの不足につながります。ほかにも、タバコはビタミンEの消費も進めてしまいます。
また、喫煙で体内の活性酸素が増え、線維芽細胞を傷つけてしまいます。線維芽細胞のはたらきが弱まると、肌のハリ、ツヤのもとになるコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸、プロテオグリカンがつくられる量が減ってしまうのです。
さらに、喫煙そのものもコラーゲンの分解を早めます。
このように、喫煙習慣は、肌のハリやツヤのもとになる美肌の成分であるコラーゲンの生成を抑制してしまうのです。
受動喫煙のリスクと社会の取り組み
タバコを吸う人が直接吸い込む煙は、主流煙と呼ばれます。一方、タバコの火のついたところから、出る煙を副流煙と呼びます。
その副流煙を、意図せず吸い込んでしまうことを、受動喫煙といいます。
副流煙には、主流煙に比べて、ニコチンが2.8倍、タールが3.4倍、一酸化炭素が4.7倍も含まれています。
だから、受動喫煙は大きな健康被害のリスクであり、美容やエイジングケアにとってもマイナスの影響を与えます。
受動喫煙でも肌老化は進み、がんや脳卒中、心筋梗塞、呼吸器疾患などのさまざまな病気のリスクが高くなることがわかっています。
また、子どもの喘息や乳幼児突然死症候群のリスクになったり、妊婦さんや赤ちゃんにも悪影響を及ぼすこともわかっています。
そのため、受動喫煙は近年、社会全体で取り組むべき問題として認識されています。
厚生労働省は、『「受動喫煙のない社会を目指して」ロゴマーク』を作成し、受動喫煙のない社会づくりの啓発に努めています。
ロゴマークを記載しているページには、『受動喫煙防止対策の必要性という共有認識を拡大し、受動喫煙のない社会を目指すことに多くの人が賛同でき、社会的気運を向上するために、「受動喫煙のない社会を目指して」ロゴマークを発表しました。』と記されています。
レストランや喫茶店でも分煙が進んできましたが、このような社会の取り組みにより、受動喫煙のリスクが下っていけばよいですね。
まとめ
加齢以外の肌老化の原因で、喫煙による害は紫外線による光老化に次ぐといわれるほどです。
健康のためにも、肌のエイジングケアのためにも、喫煙も受動喫煙も避けることが重要です。